子どもが夢中になる前に知っておきたい、プールと熱中症の話

2025/07/20

夏が来ると、子どもたちのテンションは最高潮。学校のプール開き、市民プールやレジャー施設のオープンを心待ちにしているご家庭も多いことでしょう。

でもちょっと待ってください。

「プールに入っていれば涼しいから安心」──そう思っていませんか?

実はその“安心感”こそが、夏の危険「熱中症」への油断につながるかもしれません。水に入っているのに、なぜ熱中症になるの? その答えを、親として知っておくことが、楽しい夏を守る第一歩です。

「水の中=安全」ではない理由

水に入ると、ひんやり気持ちよく、暑さを忘れてしまいます。子どもたちは遊びに夢中になり、時間を忘れて泳ぎ続けることもしばしば。ところが、水中にいても体はしっかり“汗”をかいており、どんどん水分を失っています。

しかし、水の中では汗をかいている実感がないため、脱水が進んでいても気づきにくいのです。

さらに危険なのは、プールから出たあと。濡れた体は風で一時的に冷えるものの、炎天下のプールサイドやコンクリートの照り返しは強烈。体温が急上昇し、うまく熱を逃せなくなることで、熱中症を引き起こしやすくなるのです。

子どもは“大丈夫”じゃない

子どもは体温調節機能が未熟で、汗をかく能力も大人に比べて劣ります。また、「喉が渇いた」と感じる感覚も鈍いため、自分から水を飲むことを忘れがち。

特に、まだ小さな子どもや、運動量の多い子どもほど、短時間で脱水が進むリスクがあります。しかも、熱中症のサインに自分で気づくことは難しいため、周囲の大人が気づくまでに重症化してしまうケースも少なくありません。

「いつも元気なうちの子に限って…」と思い込まず、「どの子にも起こりうるもの」として向き合うことが大切です。

プールでの熱中症を防ぐ3つの基本

1. 水分補給は「喉が渇く前」に

「遊び終わってから飲めばいい」では遅すぎます。プールに入る前、30分ごと、遊び終わったあとに意識して水分をとらせましょう。特に汗で失われる塩分も補える、麦茶やスポーツドリンクなどがおすすめです。

2. 1時間に1回は日陰で休憩

泳ぐ時間が長くなればなるほど、体の内側は熱をためこみます。1時間に1回はプールから上がって、日陰で体をクールダウンさせましょう。目安は10分以上。濡れたラッシュガードのまま日なたにいないよう注意を。

3. 体調チェックはこまめに・さりげなく

「顔が赤くないか?」「ちょっとボーッとしていないか?」など、こまめに観察してあげてください。めまい、吐き気、頭痛、食欲不振などがあれば、すぐに休ませ、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

学校や市民プールでも油断は禁物

監視員やスタッフがいる場所でも、子ども一人ひとりの体調を細かく見ることはできません。安全を守る最後の砦は、やはり親や保護者の注意です。

また、学校のプール授業でも、事前に家庭で十分に水分を摂らせたり、帽子やラッシュガードなどで日差し対策をしてあげるだけでも、リスクを減らすことができます。

楽しむために、「少しの意識」と「小さな声かけ」を

熱中症は、予防できるものです。逆にいえば、ほんの少しの意識の差が、大きな安心につながります。

「ちょっと水分とろうか」
「日陰で5分だけ休憩しよう」
「疲れてない? 頭痛くない?」

そんな小さな声かけが、子どもたちの夏の思い出を守ってくれるのです。

涼しさの裏にある“見えない熱”に気づいてあげられるのは、大人だけ。子どもが夢中になる前に、大人が一歩先に気づいてあげる。それが、この夏一番の“親の愛情”かもしれません。

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